正札コミュニティ・アートセンター構想

 

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「ここに来れば誰かに出会え、心を開き、新しい何かにワクワクする場所」。そう感じるきっかけは、ひとつではありません。音楽、美術、演劇、そしてそれが仲間とのサークル活動だったり、旅行だったり。十人十色でしょう。正札コミュニティ・アートセンターは、イベントスペースやギャラリー、シェアキッチンなどのコンパクトなたくさんの機能を持ち、それを組み合わせてあらゆる活動を可能にする施設です。

旧正札竹村は、建築的にカーテンウォール構造(カーテンのような壁という意味で、壁は構造的強度をもたない)のため外壁や内部の壁面の取り外しが可能です。1、2階を一体化した空間、3、4、5階の梁のない部分を一体化した空間(元エスカレーターの空間)、光が降りそそぐように屋上から1階までを吹き抜けとした空間を設え、フロアをこえたアートセンター全体の一体感を持たせる設計ができます。5、6、7階は、外壁をガラスに変えることで明るく広々とした空間となり、市内を一望できる魅力的なパノラマが広がります。


 

 

 

1F コミュニティホール

1F コミュニティホール

吹き抜けスペース

吹き抜けスペース

地域の行事ともコラボレーションできる多目的空間
1階には、天候に左右されることなく、フリーマーケットや屋台を開けるスペースを設けます。大館には7のつく日に「市日(いちび)」という地元の特産品や農産物などの市場を出す習慣があります。こうした昔ながらのイベントはもちろん、コンサートやパフォーマンスイベントに気軽に使えるような、屋外とも連続性のあるスペースとなっています。大通りから見えるその様子に、思わず立ち寄ってしまいたくなる広場となるでしょう。
この場所は2階までの吹き抜け天井とするため、ゆったりとした空間となります。天井の高さを活かして、お祭りのときには山車が入ることも、展示することも可能に。中心市街地で行われてきた伝統行事も丸ごと受け入れ、コラボレーションできる多目的スペースとなります。また、2階の回廊からは1階で行われている活動を見ることもでき、イベントのギャラリー空間も確保されます。

 

吹き抜けスペース

吹き抜けスペース

開放的な空間が館内の活動をオープンにする
上層まで吹き抜けた光あふれる庭:光庭は、旧正札竹村の既存の構造躯体を活かして創ることができる新たな空間です。自然光が差し込む明るいこの吹き抜けは、各階に屋外のような開放感をもたらし、そこで活動する人々の姿が見られる視界を開きます。階下の庭は、ふらっと立ち寄りたくなる開放感と、階上で活動する人たちの様子が垣間見られる安心感があります。小さいお子さんを連れた家族、学生にお年寄りと、集う誰もが見守り合える空間となります。

 

アートホテル

アートホテル

観光資源としてのアートホテル
上層階には大館の景色が一望できる「アートホテル」があります。観光を軸に地域の活性化を目指すのならば、いかにして長時間滞在してもらうかが鍵となります。「ちょっと立ち寄る」だけの観光地になるのではなく、長く留まり、この地の文化・食・人との交流を楽しみ、宿泊までつながる仕掛けが必要不可欠。アーティストが部屋全体を構成して一つの作品とした空間は、その中で一夜を過ごすという贅沢な体験をもたらし、作品により深く迫ることが可能です。宿泊という行為そのものが観光の目玉ともなる価値を生み出します。

 

メインギャラリー 吹き抜け

メインギャラリー 吹き抜け

あらゆる発表の場として機能するギャラリー
3階層分の吹き抜け天井をもつ展示ギャラリーには、立体や大壁面を利用したあらゆる作品が展示できます。吹き抜け展示スペースを囲むように、規模に応じて使い分けのできるいくつかの展示室が並びます。近隣に例を見ない大展示空間は、市外からの展示利用も見込まれ、周辺地域との文化的交流も生み出します。そして、美術館開催クラスの展示事業も可能とするため、秋田県北エリアの芸術教育の拠点としての役割も果たし、これまでにない交流と新しい文化活動の源となるでしょう。

 

シェアキッチン

シェアキッチン

地域の食文化を育み次世代に伝える
アートホテル利用者、あるいは地域住民を中心に誰でも利用できるシェアキッチン。長期滞在者の日々の食事、友達同士で集まってのお料理会や定期的に開かれる料理教室にも対応可能です。大館の食文化を次世代に残すべく、異なる世代の交流促進の場としても機能します。イベントスペース利用時のケータリングなどにも併用でき、あらゆるタイプのイベントを可能にします。例えば、バースデーパーティーや学校行事の打ち上げ、友人達との手作り結婚式など。シェアキッチンがあることで、施設の活用の幅がぐっと広がります。

 

屋上庭園

屋上庭園

正札と言えば、屋上遊園。子供達の思い出をつくる場所を再び
屋上階には、空と街が見渡せる天然温泉の露天風呂や足湯も楽しめる遊園エリアを設けます。休日になると家族連れで大賑わいに。大館市には、子供を連れてふらっと遊びに行ける場所がないため、市内随一の高層階から臨める大パノラマ遊園は、子供達にたくさんの刺激を与えることでしょう。中心市街地にあるからこそ、ちょっと立ち寄って足湯でおしゃべりなんてことも可能。平日は、バスや電車の待ち時間に一休みできる静かな空中庭園に。

 

図書館

図書館

地域の情報スペース、ミニライブラリー
ミニライブラリーは、大館に関する書籍や観光本、そして、このアートセンターでの活動をより豊かにするための芸術や地域活動に関する書籍を収集し公開します。また、学生が学校帰りに立ち寄って自習をしたり、休日の社会人が書斎のように活用できるデスクスペースも配置。静かに学ぶスペースとは別に、グループワークなども行えるミーティングエリアも設けます。「情報」をキーワードにしたフロアとし、書籍閲覧や学習のほか、観光客へのコンシェルジュデスクも開設し、観光事業促進も担います。

 

託児所

託児所

子供とお年寄りのための安心空間
中層階には、小さな子供のための場所とお年寄りのためのコミュニティ工房を作ります。屋内の公園のように、遊べるスペースとくつろげる場所、ともにものづくりなどを楽しめる工房スペースも織り交ぜて、子供たちをお年寄りが自然と見守れる空間とします。子育て世代と高齢世代の交流の場としても機能するよう、開放的な空間でありながら安全で安心して過ごせるようにセキュリティにも配慮します。社会参加を希望する高齢者ボランティアによるスペース運営、子育てに関する交流スペースや相談窓口を設けるなど、地域で子育てを、そして生き生きとした高齢者の活動を支援するエリアとします。

 

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正札コミュニティ・アートセンターを基軸とした街空間をつくる
大町商店街は、アーケード通りに面する正面は店舗ですが、細長い敷地のため、奥は住宅や中庭になっているところが多いのです。正札コミュニティ・アートセンターを基軸に周辺の整備も考える際には、商店街の空間的特徴を活かした連携型の事業を計画することで、街全体の利活用につながります。

例えば、正札右隣の商店(旧金澤家具店様、ネリヤ様建物裏)の奥には、大きな木々のある緑の空間があります。そこを中庭として市民に開放する計画案です。日常的にはオープンスペースとし、秋田犬のふれあいイベントや地元農産物のマーケット、骨董市など多様な地域交流イベントを開催します。適度な大きさで緑あふれる開放的な中庭は、親しみやすい市民活動を喚起できる魅力ある空間となるだけでなく、隣接する正札コミュニティ・アートセンター1階スペース、そしてハチ公小径とをつなぎ、商店街に人の流れを生み出します。